不思議な関係

家族葬のご依頼をうけ、亡くなったペットちゃんの自宅にてセレモニーを執り行うとき、私たちスタッフとペットを亡くされたご家族の関係は「業者」と「遺族」という位置づけであります。
 
当たり前といえば当たり前なのですが。
 
 
 
家族葬のセレモニーは火葬の時間も入れて短くとも1時間半。長ければ4時間以上かかるときもあります。
 
かかる時間は参列される人数や、ご僧侶さんの読経の有無などによっても変わるのですが、時間差が出る1番の理由は参列者のご焼香の儀が終了した後、いざ出棺して火葬車におさめるまでの「ペットちゃんとご家族の最後の別れ」の時間の差によって変わってきます。
 
我々プレシャスコーポレーションはこの時間がセレモニーの最も重要な時間だと考えているので、急かすことは絶対にしません。(※当ブログ{4時間}参照)
 
ペットちゃんがお骨になる前に、ご家族それぞれが生前を彷彿させるその姿を眼に焼き付けておきたいものだということは重々に理解しているからです。
 
亡くなったペットちゃんが、たとえ呼吸をしていなくても、もし、このままの状態を保っておられるなら、ずっとそばにいたいし、いさせてあげたい。そして家においていてあげたい。
 
ペットを失ったとき、人は皆、最初はそう考えるものだし、同じようなことを口にされます。
 
もし、本当にそれが可能であれば、我々のような仕事は必要はないだろうとも思います。
 
しかし、呼吸をやめたその瞬間から自然へと還る道を歩みはじめるその光景は残された者たちの目には時に残酷に映るもので、その歩みを冷却などの手段によって、遅らすことはできても、止めることは不可能であります。
 
 
その現実をまざまざと見せ付けられ、ペットを失った事実からも目を背けることなく、受け止めた人たち。そして、その人と強い絆で結ばれたペットとの最後の別れの時間に口出しすることなどできはしません。
 
だから、いくら時間がかかってもご家族のお気持ちが
 
「もう神様のところへいかせてあげよう・・・」
 
「なるべく綺麗な姿のうちに見送ってあげよう・・・」
 
そのような変化が訪れるまでお待ちするように心がけております。
 
 
過去に2回だけ、この気持ちの切り替えが、どうしてもできない飼い主様がいらっしゃいましたが、そのような心境も深くご理解できますので、ペットちゃんの状態が少しでも保てるように施し、翌日に変更させてもらったこともあります。
 
 
この最後の時間をペットを亡くされたご家族と一緒に過ごすことになる我々は、時間の経過とともに、冒頭で述べた「業者」と「遺族」ではなく、共に弔う「同士」のような関係になっていることがあります。
 
以前にもこのブログで書いたとおり、弊社スタッフは皆、ペットロス経験者であります。
その経験から、ペットロスの痛みと悲しみを少しでも分かち合えることが、その大きな要因かもしれません。※(当ブログ{残された者たちの役割}{会社理念}参照)
 
この不思議な関係は言葉では上手く説明できないんですが、その日、初めて会ったはずなのに、以前から親交のあった知人のような感覚で生前のペットちゃんのお話を聞かせてもらったり、ペットちゃんが元気だった頃の動画や写真などもみせてもらったりします。
 
葬儀後、セレモニーを担当したスタッフと依頼者家族の方たちとの間でメールや手紙のやりとりが続くことも珍しいことではなく、そのような方々は、その後、我々にとって大切な協力者になってくださることもあります。
 
協力者というと、語弊になるかも知れませんが、家族葬を依頼してくださった方たちの周りで、同じようにペットちゃんの不幸があったときに弊社を推薦してくださるケースが多く、そのことを裏付けるように、プレシャスで依頼を受けた半数以上のセレモニーが過去に弊社で家族葬を担当させてもらった方からの紹介によるものであります。
 
 
私はそのことに感謝すると同時に素直に喜びを感じています。
 
 

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