「顔」自分のペットが死ぬということは 7

ココの火葬が始まり、友人と家族は重い足取りで待合室に入っていきました。

 

私は5分ほど、火葬炉の温度調整をした後で待合室に入ったのですが、待合室の中は沈んだ空気に支配されており、友人家族は会話もせず、下の子はまだ泣き続けていて、私はかける言葉も見つけることが出来ず、もう一度、火葬炉のある斎場に戻ったのです。

 

さらに5分ほど経過したとき、友人が子供達を連れて斎場に入ってききたので、何事かと思い「どしたん?」と訊ねると、友人は「ちょっとコンビニ行ってくるわ」と言い残し、そのまま斎場を抜けて外に出て行きました。

 

待合室には友人の旦那さんが一人残される形になっていたので、私はもう一度、待合室に入ったのです。

 

旦那さんは、少し疲れた笑みを浮かべながら「いろいろすいません」と言葉をかけてくれたので、私も「いえ、とんでもありません」と返事をしました。

 

旦那さんは「子供らにとったらつらいことだけど、これも良い経験やと思います・・・」とポツリと言ったので、私は「そうやね。初めての死別の経験がペットとの別れって子ってすごく多いんだけど、その悲しみから何かを学ぶこともすごく多いからね・・・」と、同じように自分の考えを口にしたのです。

 

その後、旦那さんと、いろんな会話をしているとき、友人と子供達が帰ってきました。

 

友人の表情は沈んだままであったのですが、子供達はジューズとお菓子を買ってもらったせいか、少しだけ、いつものような表情に戻っていたのです。

 

子供達はお菓子を食べながら会館を物珍しそうに見ていました。

 

友人夫婦は何度か会館に遊びに来てくれたことがあったのですが、子供達が会館に来たのは初めてであり、会館の中にあるメモリアルグッズの展示スペースに近づきながら、「これなに?」と私に聞いてきたのです。

 

私はそれに答える形で子供達と会話をしたのですが、そんなことを繰り返しているうちに、子供達は時折、笑顔を見せるようになり、その光景を遠目に見ていた友人も笑みを浮かべていました。

 

友人の子供達に限らず、10歳以下の子供は良くも悪くも切り替えが早いものであります。

 

時に、そんな子供達の無邪気さに、大人は戸惑いながらも救われるものであり、葬儀の席では、そんな光景にもよく出くわします。

 

子供達がいてくれて良かった

 

私は常日頃から、そう感じることが多いのですが、この日も、私は子供達に救われたと感じていました。

 

友人も子供達の前では母の顔になるのは言うまでもなく、もし、子供達がいなければ、取り乱すほど泣いていたと思います。

 

そのことは痛いほど伝わっていたので、言葉をかけることができなかったわけであり、そして、友人が母の顔を保つのと同じように、私も葬儀屋の顔でココとの別れを偲んでいたのです。

 

そして40分後、ココの火葬は無事に終了したのです。

 

 

ブログのスペースが無くなりましたので、この後のお話は次回に紹介させていただきます。

 

 

プレシャスコーポレーション

野村圭一

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