「震える指」自分のペットが死ぬということは 6

ココは友人が抱いて出棺し、火葬炉に納められました。

 

このときになって、下の子が私に「燃やすの?」と目に涙を浮かべながら訊ねたのです。

 

一瞬、返答に困ったのですが、母である友人が即座に「燃やすんちゃうよ。神様の所にいくだけやで」と静かな声で説明をしました。

 

下の子は困惑したような表情になり、後方に居た父親の腕に縋るようにしてしがみついたのです。

 

私は火葬炉の前で、そんな家族を振り返りながら視線を合わせました。

 

友人は静かに涙を流していたのですが、私と目が合ったとき、ゆっくりと瞼を閉ざし、合図するように小さくうなずいたのです。

 

それをを確認した後、私はもう一度、火葬炉に向き合い、ココに合掌をした後、重く冷たい火葬炉の扉を閉じたのです。

 

点火のスイッチは友人の願いにより、私が入れることになりました。

 

私は友人家族を火葬炉前に残し、一人、点火スイッチがある火葬炉の右側面に移動しました。

 

火葬炉のスイッチは、飼い主さんから頼まれて、今までに何百回、いえ、何千回も点火してきた私であったのですが、このときばかりは自分が動揺しているのがわかり、指先が少し震えたのです。

 

お腹の真ん中に何とも言えぬ鈍い痛みを感じ、目頭が熱くなっているのが自分でもわかりました。

 

ためらっている・・・

 

そのことを自覚しながら、このときになって私は自分の立場であるペット葬儀という仕事が(なんてつらいことなんだろう・・・)という思いにふけていたのです。

 

私の位置からは死角になっていて友人家族は見えなかったのですが、子供達の泣き声だけは斎場に響いていました。

 

その声で私は自分の立場を思い出し、自らを奮い立たせるようにして背筋を伸ばし視線を上に上げました。

 

そして「点火!」と声をあげ、スイッチを入れたのです・・・

 

 

ブログのスペースが無くなりましたので、この後のお話は次回に紹介させていただきます。

 

 

 

 

プレシャスコーポレーション

野村圭一

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