「対面」自分のペットが死ぬということは 3
翌日、ココの葬儀の日を迎えました。
朝から心は重く沈んでいましたが、この日も午前中から数件の葬儀依頼が入っており、気持ちを切り替えて仕事に専念することにしたのです。
日が暮れ、時計は19時30分になり、次のココの葬儀の時間を待つだけとなったとき、私は会館の洗面台で顔を洗いました。
これは、私が面識のあるペットの葬儀を担当する前に必ずすることであり、出来るだけ平常心で仕事に向き合えるようになるための習慣でもあります。
いくら面識があるペットであっても、一番悲しくつらいのは飼い主である友人と、その家族であり、葬儀屋である私はあくまでも、それをサポートする立場に変わりはありません。
ですので私は、面識があるペットの場合、けして、悲しい顔を見せないよう心掛けており、この日も、普段の自分のまま友人とココを迎えようと決めたのです。
会館前に友人の車が停まるのが見えました。
最初に友人の2人の子供達が目を真っ赤に腫らして後部座席から降りたのが見えました。
この子供達も生まれたときから知っているのですが、今までに見たことのないような表情をしていたのです。
私はすぐに子供達に歩み寄り「こっちやで」声をかけました。
そのとき、助手席のドアが開きココを抱いた友人が降りてきたのです。
友人は無言のまま、うつむいていたので、表情まではわからなかったのですが、涙ぐんでることはわかりました。
私は友人に抱かれたココを見たのですが、そこに私が知っている、会館を走り周っていたココの姿はありませんでした。
久しぶりに見るココの顔は痩せ細っており、まるまるとしてたお腹は痩せて皮膚だけががダブついているように見えたのです。
これは急激に体重が落ちたときの症状であり、ココの病状が短期間で悪化したことを物語っていました。
思わず言葉を失ったのですが、すぐに友人に歩み寄り「大丈夫か?」と友達口調で声をかけたのです。
友人は少し間を置いて、コクっと無言のままうなずいたのですが、そのときに口を強く噛むようにして涙を堪えてるのがわかりました。
友人は女性なのですが、サバサバした性格で、基本的に人に涙を見せるのを嫌う傾向があります。
長い付き合いなので、私もそのへんのことは理解しており、なるべく自然に会館に誘導するように体の向きを変え「とりあえず中に」と肩に手をやりました。
最後に友人の旦那さんが降りてきて「今晩は」と、比較的、穏やかな表情で挨拶をしてくれたのです。
私は旦那さんとも、面識があり、仕事上でもお付き合いがあるので、控え目な笑顔で頭を下げて挨拶をしました。
「じゃあ中に」
そう言って、私は友人家族を会館内のセレモニーホールに案内したのです。
ブログのスペースが無くなりましたので、この後のお話は次回に紹介させていただきます。
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野村圭一
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