「自分の気持ち」叶わなかった願い 5
夜になり、その日の仕事を終えた私は自宅のパソコンから台風情報に目を通しました。
少しでも逸れてくれることを期待したのですが、台風は勢力を弱めることなく四国・近畿方面に接近を続けていたのです。
それを確認した私は、もう一度Yさんに電話をかけました。
電話に出られたYさんの声は、午前中に話したときよりも、心なしかトーンが低く、少し元気が無いように私は感じ取ったのです。
「やっぱり台風来ますね。とくにそちら(四国)は直撃しそうですね」
そう言った私にYさんは「はぁ・・・」と控え目に返事をされました。
やはり午前中に話したときと何か違う・・・
もちろん、私以上にYさんは台風の事が気がかりだったのは事実ですが、台風が来ることは昨日からわかっていたことであり、そのことで気持ちが沈んでいたとは考えにくく、このとき私は直感的に別の何かがあったと感じたのです。
気になった私はYさんに「あの、何かあったんですか?」と尋ねました。
Yさんは、「はい。実はさっき家族と少し話したんですが・・・」と前置きをされた後「『気持ちはわかるけど、こんな状況(台風の日)のときに大阪まで行くのはどうだろうか?』と言われたんです。」と仰られたのです。
私は少し間を置いた後「それは、ごもっともな意見ですね」と返事をしました。
私の返答が予想外だったのか、Yさんは「え?・・・」と聞きかえされたので、「Yさん。誤解しないでくださいね。私が言いたいのはYさんが当社でマニちゃんのお見送りをされたい気持ちは十分伝わっていますし、本当に有難いとも思っているんですよ。ただ、台風が過ぎた後であっても、夜に大阪まで行き、葬儀が終わってすぐにまた、四国に戻るというのは、スケジュール的にもかなりハードだと思うし、正直、運転のことも含めて、僕もすごく心配なんです」と伝えたのです。
Yさんは沈んだ声色になり「そうですよね・・・」と言ったまま黙り込まれました。
私はそんなYさんに「いずれにせよ、明日の夜はスケジュールを開けておりますので、台風が過ぎた時点で、ご家族と相談して、最終的に決められたほうがいいかもしれませんね。もちろん、当社はキャンセル料もかからないので、仮にキャンセルされることになっても気にしないでくださいね」と補足するようにして言いました。
「はい・・・わかりました」とYさんは返事をされた後、「でも私としてはプレシャスさんでやりたい気持ちは変わらないと思います・・・ずっと決めてたことですし・・・」
そこまで話された後、Yさんは言葉に詰まり、泣かれたのです。
ブログのスペースが無くなりましたので、この後のお話は次回に紹介させていただきます。
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野村圭一
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