「悔いのないお見送りのために」悲しみの準備・・・最終回

ゴンちゃんのご火葬が無事に終わり、Sさんはお骨をあげられたのですが、お骨のどの部分をメモリアルブレスに使うか迷っておられたのですが、最終的に、一番ゴンちゃんを感じれる指と爪の骨に決められました。

お骨壺を自宅から持って再び会館に戻られたGさんは、同じく、尻尾のお骨を希望されたので、私はGさんの愛猫ちゃんのお骨壺から、尻尾のお骨を取り出したのです。

 

ちょうど、その時、メモリアルグッズの職人さんが来館さられたので、私は詳細を説明しました。

職人さんは、すぐにSさんとGさんのお立会いのもと、メモリアルブレスの作成に取り掛かってくれ、お二人は遺骨をカラス石材に融合させていく様子を、食い入るようにして見ておられました。

40分後、それぞれの遺骨の融合されたメインストーンが完成し、SさんとGさんは、それぞれの好みでパワーストーンと組み合わせられ、遺骨ブレスレットは完成したのです。

 

そして、お二人とも、ケースには入れず、完成後すぐ、遺骨ブレスを左手首にはめておられました。

 

全てのセレモニーが終わり、SさんとGさんは、それぞれの愛猫ちゃんのお骨壺を抱いて会館を後にされました。

玄関前に出て、お二人を見送った私は、肩を並べて、大切そうにお骨壺を抱いて歩いて行かれるSさんとGさんの後ろ姿を見送りながら、少しさけ心が温かくなるような感覚になりました。

 

これはGさんがお骨壺を自宅に取りに戻られたときにSさんが仰っていたことなのですが、今回、Sさんにとって、同じ悲しみを経験したGさんが参列してくださったことは、とても心強く、嬉しいことでもあったそうであります。

それに、医師から「そう長くはありません」とゴンちゃんの余命宣告をされたとき、悲しみと失意の中であっても、「悔いの無いようにしてあげよう」と、お別れとお見送りの準備を始めたそうなのですが、その期間は、とても大切なことであるとも言っておられました。

 

Sさんは「悲しいけど、『悲しい悲しい』ばっかり言うてたら何も始まらないし、出来ることは全部してあげなアカンって思って、生活してました」と言った後、遠くを見るような目で「やっぱりね、別れはいつかは来るんやし、人間、誰しも、その覚悟を持たないとアカンと思いますねん。そうじゃないとゴンちゃんに、何をしてあげるのが良いのかも見えてけーへんし、自分の気持ちも含めて、悲しみに備えて、出来ることやってあげんと、後々、自分自身が後悔することになると思うんです」と仰っていました。

 

今回、ブログの題名にも使わせてもらったSさんのこのお言葉は、とても深い言葉であると私は感じたのです。

 

言い方を変えれば、お見送りは、見送る側にとっても大切なことであり、後悔が残るものであってはならないということなのでしょうか。

私自身、お見送りをサポートするうえで、そのことは、本当に大切なことであると考えており、日頃から「葬儀と言うのは、見送られる側より、見送る側のために存在する」と感じております。

このブログでもよく「セレモニーは見送る側の飼い主さんの心の区切りを付けるための儀式でもある」と言ってるのは、そのためであり、この日のSさんの言葉は、そんな自分の思いと重なって、強く印象に残る言葉になりました。

 

お一人住まいのSさんにとって、ゴンちゃんとの別れの日を刻みながらの生活は、つらい日々であったのは間違いありません。

そのような日々の中にあって、本当に大切なことを考えながら、来るべき、お別れの日に備え、自分の出来ることを実行に移されたSさんは、きっと悔いの無いお見送りをされたのではないでしょうか。

 

それを物語るように、お見送りを終えられたときのSさんの表情は、どこか穏やかであり、満たされたような顔をされていました。

 

 

プレシャスコーポレーション

野村圭一

 

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