羽を奪われた小鳥~セキセインコの火葬~

今回は生まれつき遺伝性の脱羽の病に侵されながらも生涯を真っ当した一羽のセキセイインコ「プーちゃん」のお話を紹介させていただきます。

プーちゃんは先にも述べた病気により鳥の命ともいえる羽を奪われ、生涯一度も飛ぶことがないままこの世を去りました。

 

誕生したときから短命を宿命付けられたにも関わらず家族の手厚い介護により一般的な小鳥の平均寿命と言われる8年の生涯を精一杯、生き抜きました。

 

プーちゃんが家族の元に来た日から壮絶ともいえる最後の時までを、セレモニーを担当した弊社プレシャスコーポレーションに送られてきたご家族からのメールをそのまま掲載する形でご紹介させていただきたいと思います。

 

なお、個人情報に関わる箇所は伏せさせていただきましたのでご理解の程、よろしくお願いします。

~~~~~~~~~~プーちゃんのご家族 からの手紙~~~~~~~~~~~~~

プレシャスコーポレーション様
ご担当 Y様
先日、大阪府八尾市の自宅で愛鳥プーの家族葬を
お願いさせていただいた○○です。(娘の方です) ※依頼者様の個人情報につき伏せさせていただきます。

 

その節は、大変お世話になり本当にありがとうございました。
手厚く弔っていただけて、家族一同、心から感謝しています。

 

冷静なつもりではいましたが
やはりいっぱいいっぱいであまりお話できなかったので、
もしよかったら、送っていただいたプーのことを少し聞いていただけたら
嬉しいです。(お忙しいのに一方的に恐縮です)

 

我が家は私が幼い頃から常に小鳥がいる家で、保護したり、里親になったり・・
初めて小鳥を飼う前にも、ご近所の小鳥と写った幼い私の写真があったり。
ずっと、小鳥と縁がありました。

 

プーは、8年前の母の誕生日に、父が知人からお迎えしてきたセキセイインコです。

まだヒナだったので、差し餌をしながら大事に育てました。

当時、家を建てかえたところだったのですが、やんちゃ盛りのプーが
新しい畳をボロボロにしても、皆ニコニコ見守る溺愛ぶり。
本当に皆がプーを大好きで、小さな小鳥に夢中でした。

 

そんな中、飛ぶ練習を始めたのに何故か飛べず、
飛び羽やお腹の羽がどんどんなくなりはじめました。
獣医の診断は、母鳥からの遺伝からくる脱羽の病気。
(人間で言うと、乳歯が永久歯に生え変わるはずが
永久歯が生えず、ずっと乳歯が出てくるという感じです。)

 

一度も羽ばたくことなく、
プーは飛べない小鳥になりました。

小鳥が飛べないというハンデは、とても胸が痛みましたが

たとえ不自由でも、せめて他の面ではこの子が悲しくならないように、
楽しい気分でいられるように、翼の代わりになれるように・・・。
ずっとプーを最優先に、一番に考えてサポートしてきました。

Y様にも少しお話させていただきましたが、
飛べない分、他の機能が発達したのか?
感情豊かで、とてもお喋り上手な子に育ってくれました。

 

自分で飛んで移動することができないからか

(人間が手の中でふんわり抱きながら移動してました)
ケージに戻りたくなれば「オウチカエル!」と
意思を言葉で伝えるようになったり。

 

嘘みたいなのでなかなか信じてもらえないのですが・・・。
(母の話を聞いてくださってありがとうございました)

 

そして臆病で短気、だけど明るく優しい子で
私が悲しんでいれば顔を覗き込んで心配そうにし、
具合が悪くて臥せっていれば側まで来て見守ってくれたり
私が焼くパンが大好きでいつも「オイシイ」と言ってくれたり
誰かが出掛けるときは「バイバーイ」と言ってくれたり。
その可愛らしい姿に、想いにいつも胸がいっぱいでした。

 

プーの羽は飛べない小さな羽だけど、
私達家族にとっては天使の羽のようでした。
飛べなくても、どんな姿でも、大切な家族でした。

 

そんなプーが1月中旬に肺炎になり、それまで元気にお喋りしていたのに
全く話さなくなりました。
高齢ということもあり、注射をしてもお薬を飲ませても、なかなかすぐに
回復せず・・・。
全身の羽が薄いので、部屋の温度は35度をキープするよう獣医に言われ、
亜熱帯?というような部屋の暑さの中、ヒーターの前で手の中のプーを
一日中、何日も温め続ける日々。

 

プーも苦手なお薬を「飲んでね」と口元まで持っていくと
頑張って飲んでくれて。
一日に何度もなので、本当に嫌そうだったけど・・・。

 

2月になり、少しずつ回復し、一応肺炎は完治し、
プーも少しお喋りが戻った矢先、でした。

 

2日くらい前からまた元気がない感じでしたが
それでも食欲もあるし、きっと大丈夫だと信じていました。

高齢と、肺炎の治療で消耗してしまったのか足元がおぼつかなくなって
病気以来ずっと、人の介助がないと止まり木にとまったり、
ケージへの出入りが出来なかったのに。
病後は一度も、自分からケージに帰ったことがなかったのに。

亡くなった22日の朝、
最期、誰も見ていないときに一人でケージに帰って
いつもの場所(上の段)にとまっていました。
フラフラになりながら、懸命に木につかまって。

それは私がいつも出勤する時間で、
プーのいる部屋をのぞいて、出かける挨拶をいつも必ず私がするので、
以前と同じように元気な姿で、私を見送ろうとしてくれたのかなと
良い風に思ったりです。

 

いつも朝食はプーと一緒に、私が焼いたパンを食べていたのですが、

その日は元気のないプーを心配してつい、メソメソしてしまっていたから・・。

動物は死期がわかると聞きますが、

私が会社から帰宅する夜までは厳しいとプーが感じて、
私がいないうちに静かに命を閉じたら
元気のない姿を心配したままの私が悲しむから、
最期に、大丈夫な姿を見せようとしてくれたのかなと・・思えてなりません。

 

まあ、最期は自分の家に帰りたかったのかもしれませんが・・・。
弱ってる姿を見せてはいけないという本能かもしれませんが・・・。
(でも何度か小鳥を看取っていますが、皆静かに亡くなりました)

止まり木の上でフラフラになっているプーを母が助け出し、
その母の手の中で息を引き取りました。
最期が母の手の中で、よかったです・・・お母さん子だったから。

もし、ケージに帰らなければ、止まり木にとまろうとしなければ
苦しまず、眠るように命を終えられたかもしれないのに。
文字通り命を削って、最後の力を振り絞って
苦しくても、元気だった頃の姿を見せようとしてくれた、プー。

その痛々しい姿を思い出すと、今でも涙がこぼれますが
これがプーの決めたこと、静かに逝かなかったのは
プーが自分で決めた最期なんだと・・この子の意志をちゃんと
受け取らないと、と今は思います。
笑われてしまうかもしれませんが・・・立派な最期でした。

飛べない小鳥と暮らすことで、動物が障害を持つということを教わり、
最期の姿に、大げさですが生き様というか、決意と覚悟を教わったように思います。

 

大事な家族の為に力を尽くして、命を燃やすこと。
強烈な印象で、力で、教えられました。

当分は無理ですが、いつか・・・何年先になるかわかりませんが
プーと同じ病気で里親が見つからない小鳥を
私の元に、またお迎えできたらいいなと思っています。
プーが教えてくれたことを、つないでいけるような自分になりたい。

それがきっと、Y様が言ってくださった
「遺された家族は、後悔のない人生を」ということにならないかな・・・?と
今は思っています。

 

長々と想いを書き連ねて申し訳ありません。

突然のことで、火葬も初めてで、
前日まで訪問火葬というものがあることすら知らず、
いろいろ調べてみたものの、不安ばかりで・・・。

そんな中プレシャスコーポレーション様を見つけ、ブログを拝見し、
こちらならきっとプーを大事に送っていただけるはず・・と。
正直、ただ祈り信じるしかありませんでした。
そして信じてよかったです。

あんなに立派な衣装まで着せていただいて、
お花を手向けていただいて、
なでていただいて、
祈っていただいて・・・
家族として、幸せに思います。

 

寒がりだったプーを、冷たい土の中で弔うことがどうしても出来ず、
でも小鳥を火葬なんて・・・お願いできるのだろうかと
両親も案じていたので、家族皆でプーのお骨を拾うことが出来、
心から安堵しました。

 

今も家の中に変わらず、プーがいてくれるような気がします。

毎日お骨に話しかけています。

すぐにお礼のお手紙を差し上げたいと存じつつ、
やはり少しガックリきてしまい・・遅くなってしまいました。
また取り急ぎとはいえ、メールでお礼申し上げて、失礼をお許し下さい。

少しずつ季節が変わろうとしています、
どうぞ皆さまご自愛になってお過ごし下さい。

この度は本当にありがとうございました。

○○○○(依頼者様のお名前)

 

追伸:

「生前会ってみたかった」と言っていただいた言葉を真に受けて(!)
下記は生前のプーの映像です。
喋ってくれるのが嬉しくて、動画サイトに載せていました。
もしよかったら、ちらっと覗いていただけたら幸いです。
↓   ↓
http://www.youtube.com/user/yumyumyum83?feature=watch

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手紙を読み終えて・・・

プーちゃんは病により、我々人間もが憧れる「大空を自由に飛ぶ」ことは出来なかったけれど幸福な一生だったと思います。

そして天国では天使の羽で自由に飛んでいるに違いありません。

好きなだけ飛び回り羽を休めたくなったときプーちゃんは姿形を変え、家族の元に戻ってくるでしょう。

そのとき家族の方達はどれだけ姿が違っても、きっと「プーちゃん」だとわかるはずだと私は思っています。

 

プレシャスコーポレーション

野村圭一

 

大阪 ペット葬儀・火葬に関するお問い合せはプレシャスコーポレーションまで

大阪本社 大阪府守口市菊水通3丁目7-9

ペット葬儀・火葬のご依頼はフリーダイヤル:0120-982-660

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