地下道に捨てられた仔猫

ペット葬儀をしていると、飼い主さんからペットと出会ったきっかけを聞く機会が多いのですが、そんな話を聞いていると、猫ちゃんの場合、他のペットに比べ飼い主さんと出会う前は捨て猫、または野良猫であったことが、とても多く、何らかの偶然が重なり飼い主さんに保護されて、その後、共に暮らすことになるケースが多いことに気付きます。

 

言われてみれば、最近はすっかり野良犬というものを見かけなくなったのですが、野良猫はいたるところで見かけます。

これは、おそらく、猫はすばしっこいので、保健所の人間に捕獲されにくいのも、その理由だと思うのですが、問題はその後だと思います。

 

野良猫には野良猫の社会があり、それなりの秩序とルールが存在するのですが、当然ながら動物として、子孫繁栄の本能があり、やがて相手を見つけ、野良猫同士で交配をします。

 

そして、仔猫が産まれたとき、ちゃんと育てるママ猫がほとんどなのですが、中には育児放棄をするママ猫も居て、そのようなとき、仔猫は一人で生きてはいけません。

 

育児放棄をされた仔猫は高い確率で死んでしまうのですが、そんな中には運良く、優しい人間に保護されて命を救われるケースがあり、その後、そのまま飼い猫として生涯を全うすることもあります。

 

しかし、もう一つ、そんな仔猫の中には、心無い人間によって、無造作に捨てられた猫も多くいることも、付けくわえさせてもらいます。

 

 

先日、AさんとBさん(共に仮名のイニシャル)という二人の女性が愛猫のチャペルちゃんのお見送りをされるためにプレシャス会館にお越しになられました。

チャペルちゃんも仔猫のときに心無い人間によって地下道に捨てられ、AさんとBさんによって保護された猫ちゃんでありました。

 

 

二年前、二人は大学生になったのを機にマンションを借り、そこで共同生活をすることにしました。

このことは高校時代から決めていたこともあり、二人の夢でもあったそうです。

 

AさんとBさんは高校時代の同級生であり、その年の四月に同じ大学に入学した親友同士でもありました。

 

この日、AさんとBさんは二人で契約したマンションに無事に引越しを済ませ、食品と日用品をスーパーに買いに行った帰りに守口市の地下道に入ったときのことです。

この地下道は大阪中央環状線と国道1号線が交差する大阪屈指の交通量が多い交差点の地下に設けられた歩行者専用の地下道でありました。

 

時刻は夜の9時過ぎ、地下道の緩やかな階段を下りていたAさんとBさんの耳に小学生くらいの子供のはしゃぐような声が下の通路から聞こえたのです。

 

通路に出たAさんとBさんは塾帰りと思われるの小学生の男の子三人が何か小さな生き物を自転車で追いかけているのが見えました。

 

(なんだろう・・・)と思いつつ、その集団に近づいてみると、そこには子供達に壁際に追い込められた小さな仔猫が震えながらうずくまっていたのです。

 

それを見た比較的Bさんに比べ勝気な性格なAさんが「ちょっとあんたら何やってんの!かわいそうやろ!やめたり!」と語尾を強めて言ったそうです。

Aさんにそう言われた男の子達は同時にAさんを振り返りました。

 

男の子達は怒り心頭の、Aさんに圧倒されたように黙り込んだのですが、その中の一人の男の子が言い訳をするように「別にオレら何もしてないやん・・・」と口ごもりながら言ったので、Aさんは「自転車で追い過かけてたやろ」と睨むようにして言ったそそうです。

男の子は「追いかけてただけで、叩いたりはしてへんし・・・」とさらに弁解するように言ったので、今度はBさんが「そうかもしれへんけど、まだ仔猫やし、自転車で追いかけられるだけでもすごく怖いねんで」と諭すように言いました。

 

黙り込む男の子達に割り込むようにしながらAさんが「見てみ。怖がって震えてるやんか」と仔猫を抱き上げたそうです。

 

「かわいそうに・・・」と独り言のように言ったAさんに、男の子達は「行こ・・・」と、口々にしながら、そのまま自転車で去っていきました。

 

そんな男の子達を目で追いながら、まだ怒りがおさまらないAさんは「どうしようもない悪ガキ共やな・・・」と、溜め息を吐きだすようにして言ったそうです。

 

同調するようにうなずいた後Bさんは小さな声で「捨て猫なんかな?」と言い、Aさんも「かな・・・」とだけ返事をしました。

 

「私にも抱かせて」とBさんは手を差し出し、Aさんは優しく手渡しました。

 

そして、二人同時に『どうする?』と言ったので、二人は顔を見合あせて笑ったそうです。

 

「とりあえずマンション連れて帰ってそれから決めへん?」とAさんは提案するように言い、Bさんは「うん!そうしよ」と笑顔で返事をしました。

 

 

 

ブログのスペースが無くなりましたので、この後のお話は次回に紹介させていただきます。

 

 

プレシャスコーポレーション

野村圭一

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