人には言いたくないペットが亡くなった経緯
セレモニーのご依頼を承ったとき、飼い主さん宅に訪問した際、お悔やみを告げた後、安置されているペットちゃんの元に案内してもらい合掌をさせてもらうのですが、その席で私が最初に訊ねるのはペットちゃんの年齢であります。
年齢を聞いたうえで、ペットちゃんがお亡くなりになられた経緯をお訊ねするのですが、私はそのとき「お病気だったんですか?」と訊ねるようにしています。
もし、ペットちゃんが病死であった場合、ほとんどの飼い主さんは具体的な病名と闘病生活のことなどをお話してくださるのですが、なんらかの事故で亡くなった場合、飼い主さんは口を閉ざされることがあります。
飼い主さんが口を閉ざされるのは、大きく分けて二つの理由があります。
一つ目は交通事故等でペットちゃんが急死したようなときであり、そのショックから、言葉にするのが困難な状態でいらっしゃるようなときであります。
もう一つは、飼い主さんに何等かの過失があってペットちゃんが亡くなってしまったようなときであり、そのようなときも、飼い主さんは固く口を閉ざされるものであります。
飼い主さんに過失があるというのは、どういうことなのか。
具体的な例をあげますと、過去にこのブログでも書かせてもらっているような転落事故(抱いていたときに誤ってペットちゃんを落としてしまうような事故)や自宅で車庫入れしたときにペットちゃんに気付かず曳いてしまうような事故等でペットちゃんが命を落としてしまうようなケースであります。※(後、小さなペットちゃんや赤ちゃんペットに多いのが圧死で、飼い主さんが誤って踏んでしまうような事故です)
いずれにせよ、人には言いたくないような亡くなり方をしたペットちゃんの飼い主さんもいるので、私はダイレクトに「どういう経緯で亡くなったのですか?」とは聞かず「お病気だったんですか?」と訊ねるようにしておるのです。
そう訊ねたとき、無言で首を横に振った後、固く口を閉ざされる飼い主さんの表情を見て、聞くのは良くないと判断した場合、私はそれ以上、訊ねることはせず、セレモニーに入ります。
そのようなとき、確認事項や業務的なこと以外、飼い主さんとの会話がほとんど無いまま、少し重い空気の中でセレモニーは進行していくことになるのですが、 最終的にはどんなに固く口を閉ざした飼い主さんであっても、火葬の時やお骨上げの席で、自ら私に歩み寄ってこられ、ペットちゃんが亡くなった経緯をお話してくださるものであります。
それは、話すというよりも、まるで懺悔するかのような口調で、ペットが亡くなった理由とその経緯、そして自分の責任と罪を吐き出すかのようにお話になられるのです。
飼い主さん自身の過失でペットが命を落としてしまったとき、飼い主さんは「死んでしまった」ではなく「殺してしまった」と表現されることが多く、ペットを死に至らしめた自分の過失を責められるのです。
人間の世界でも過失致死と殺人は大きくその意味合いが異なり、罪の重さも違います。
当然、どのような事故であっても、飼い主さんの過失で起きた事故には悪意は存在しないので飼い主さんが口にされる「殺してしまった」というのは正しい表現ではありません。
にも関わらず、飼い主さんがその言葉を選ぶのには自ら犯した過失の罪の意識から出てくるのでありましょう。
場合によっては「悪意が無いのだからその表現は正しくありませんよ」と私は飼い主さんに諭すようなこともあるのですが、そうすることで逆効果になるようなこともあるので、そのときの飼い主さんの心の状態を感じながら接することを心掛けています。
逆効果とは、飼い主さんが意図的にその言葉を使ってるときで、自分を責め、自分自身を悪く表現することが、命を落としたペットの償いになると思っていらっしゃるようなときであります。
しかし、そのような考えは誰も救われず、誤った解釈だと私は思っているのですが、自らの過失でペットを喪った直後の人にそれを諭したところで、冷静に聞き入れることが出来ないものであり、そのようになってしまう心理状態も理解できます。
ですので、飼い主さんが、そのような状態であられるときは、いかなる言葉であってもその表現を否定することで感情を逆撫でする結果になり、飼い主さん自身がさらなる深みに入っていかれるようなこともあるのです。
セレモニーという限られた時間内で、そのような飼い主さんが平静さを取り戻すことはほとんどありません。
火葬が終わり、お骨になったペットを見て、あらためて罪の意識を増徴されるようなこともあります。
そのようなセレモニーの場合、担当した私自身も重い気持ちのまま、飼い主さん宅を後にすることになるのですが、そんなとき、私は時期を見計らって、後日、訪ねるようにしています。
ほとんどの飼い主さんは幾分かは平静さを取り戻されているもので、私はその席であらためて「必要以上に自分を責めてないでください。責めたところで何も変わらない」という意味合いの言葉をを私なりの表現でお伝えするようにしています。
もちろん、私のような、いち葬儀会社の人間の言葉など、何の影響力もないことは十分承知しています。
しかし、それでも、誰かがそのことを伝えなければならないと私は強く思っているので、そのようにしているのです。
自らの過失でペットを喪ったショックは経験した人でないと理解できないことであります。
私もその経験者の一人であり、その苦しみを理解できるがゆえ、私は飼い主さん達にそのことを伝えたいのです。
プレシャスコーポレーション
野村圭一
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