ペットを喪った人たちの その後・・・

以前、このブログの{ペットたちが死の間際にとる行動・・・}で紹介させてもらったマルチーズのクックちゃん(享年16歳)の飼い主さんとお電話でお話しました。

 

私自身がセレモニーを担当したということもあったのですが、セレモニーの席上で飼い主さんから聞いたクックちゃんの話は私自身の記憶に深く残り、生前のクックちゃんを知ってるかのように錯覚するほど、印象深い犬ちゃんになりました。
 
もちろん、お一人暮らしで高齢に差し掛かかる年齢の飼い主さんのことも、ずっと気掛かりでしたので、機会があれば一度、お電話をしようと思っていたのですが、ずっと仕事に追われ、なかなかタイミングが合わず、年が明けてしまいましたが、ようやく先週、お電話でお話しすることができました。
 
飼い主さんは思ってたよりお元気な声で、電話に出られ、その後のことをいろいろとお話してくれました。
 
 
クックちゃんを失った悲しみから、完全には開放されてはいないようでしたが、クックちゃんのためにもクヨクヨするのだけはやめようと決め、日々、自分なりに楽しく生活することを心掛けているようでした。
 
友人たちから誘われ、カラオケとヨガを始めたらしく、その日あったことをクックちゃんの位牌に手を合わしながら、話しかけるのが日課になってるとのことでした。
 
以前より明るく健康的な生活をされてると聞き、私は少し安心したと同時に嬉しく思いました。
 
 
電話を切った後、私は自身が愛犬のランを失ったときにペットロス症候群になった小学生の頃を思い出していました。
 
そしてペットロスから立ち直るきっかけをくれた亡き父の写真が見たくなり、その日、帰宅したあと、古いアルバムをめくってみました。
 
アルバムの中に母と姉と私と亡くなった父と愛犬ラン全員が一緒に写った写真が1枚だけありました。
 
家族4人で写った写真や私と姉とランだけが写った写真はいっぱいあったのですが、家族全員で写った写真はその1枚だけでした。
 
古い写真なのでセピア色に変色していましたが、皆が笑っていてランも楽しげ表情で写真に収まっており、気が付けば30分ほど、その写真に見入っていました。
 
クックちゃんの飼い主さんを勇気付けるつもりが逆にこちらが勇気付けられる結果になり、私はアルバムを閉じました。
 
私にとっての父とラン。飼い主さんにとってのクックちゃん。先立った者は残された者に必ず何らかのメッセージや教訓を残してくれています。
 
そのメッセージをいかにとらえ、これから自分が進むべき道に、どう一歩踏み出すかが大切だと私は思っています。
 
それはペットや大切な人を失った人すべてに言えることで、失った直後は深い悲しみに包まれ、無気力で何もやる気が起こらないことは当然だとしても、その悲しみからいつまでも抜け出せず、塞ぎこんでいては先立った者たちが浮ばれず、安心してその場を離れられませんよね。
 
私たちの仕事は毎日のようにこの悲しみの最中の人たちと向き合う仕事でもあります。
セレモニーを通じて、その悲しみを少しでも分かち合うことを心掛けながら、残された家族の方たちが新たな一歩を踏み出せることを願い、自身の体験や同じ悲しみを背負った人たちのお話をすることがあります。
 
それらの話で、少しでも、それぞれが踏み出す一歩のヒントになってもらえればと思うと同時に、それが、亡くなったペットちゃんたちが私たちに託した役割であると考えております。
 
 

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