「苦渋の選択」叶わなかった願い 11

台風の直撃でYさんの住む四国の徳島県は大きな被害をうけました。

 

付近の国道は冠水し、とうとう避難勧告が出たのです。

 

愛するマニちゃんのためとはいえ、大阪まで葬儀に行ける状況ではなく、一刻も早く家を出て家族と共に避難指定場所に向かう必要がありました。

 

私はこの段階Yさんに大阪に来るのは中止し、地元の会社でマニちゃんの火葬をされるよう進言したのです。

 

正直、私はこの進言を告げるのはとてもつらいことでありました。

 

Yさんの(マニの葬儀はプレシャスコーポレーションで)という強い想いと願いは痛いほど伝わっていましたし、私自身も、幾度が電話でYさんと話す中で、そんなYさんのお気持ちに応えたい思いが大きくなっていたからであります。

 

しかし、近年の異常気象による自然災害の恐ろしさは想像以上であり、この状況下では何よりYさんとご家族の安全確保が何よりも優先すべきでありました。

 

私の進言に「・・・わかりました。そうします・・・」と無念さを滲ませながら、そうお返事されたYさんではありましたが、本当に私にとっても苦渋の決断であったのです。

 

少しの沈黙の後、私は「でもね、Yさん。昨日も言ったように、電話とはいえ、Yさんとマニちゃんのお別れのお時間のとき、一緒にお話をしながらそのときを過ごしたのは私です。ですからマニちゃんの葬儀はプレシャスコーポレーションであげ、担当は僕がさせてもらったと思ってください」

 

私はそのように伝えました。

 

Yさんは「・・・はい。ありがとうございます。」と少し言葉を詰まらせた後「野村さんがそう言ってくださって本当に嬉しいです。それに今回、前回とは違う気持ちになれました。」と、涙ぐみながらもしっかりとされた口調でそう言われたのです。

 

前回とは違う気持ち。

 

Yさんはそのことを自分の言葉で伝えてくださったのですが、それを私の言葉で表現すると「ペットの死と向き合い、そして受け止め、自分の心に区切りを付ける」ということでありました。

 

その言葉を聞いて私は少し胸が熱くなるのを感じました。

 

「野村さんとお話できたことで、今は強い気持ちになれています。本当にありがとうございました」Yさんは、最後にそう言ってくださり、私は「Yさん。台風はくれぐれも気をつけてくださいね。ご家族にもよろしくお伝えください」と言って電話を切りました。

 

電話を切った後、会館の玄関から外を見ました。

 

強風と豪雨が一段と強く吹き荒れていたのですが、おそらく四国はもっとひどい状況だったに違いありません。

 

私は徳島のYさんやご家族のことを案じながら荒れ狂う大阪の空を見上げたのです。

 

 

プレシャスコーポレーション

野村圭一

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