「気合いと魂」遺骨のメモリアルアクセサリーに込められた ある世界チャンピオンの魂 4
Tさん家族が帰られて、すぐ職人さんはメモリアルアクセサリーの作成に入りました。
当時(三年前)、メモリアルアクセサリーも、全国から依頼が入る今とは違い、そこまで予定が詰まっていたわけでもなかったので、すぐに作業に入ることができたたのです。
約2時間後、大枝公園ちゃんのお骨の入ったメモリアルアクセサリーが三つ出来上がりました。
次男さんのメモリアルブレスのメインストーンには、次男さんの希望通り、左前足の拳の部分のお骨が融合されており、私はすぐにTさんの奥さんに「完成しました」と電話を入れたのです。
Tさんの家は会館から近いこともあり、すぐに取りに来られました。
ご家族は、完成したメモリアルブレスを手にとられ満足そうに微笑んでくださったのですが、次男さんは、すぐにブレスをケースから出し、その場で左手首にはめられた後、力強くギュっと拳を握られたのです。
その光景を隣で見ていた長男さんは「これで合格間違いなしやな」と言われたのですが、長男さんが口にされた「合格」とはボクシングのプロテストのことでありました。
次男さんはこのとき、まだプロではなく、プロテスト合格に向け、トレーニングに励んでいた時期でもあったのです。
兄にそう発破をかけられた次男さんは、少し照れたような表情をされたのですが、私は、次男さんのメモリアルブレスのメインストーンの中に浮かぶ大枝公園ちゃんのお骨を見て、Tさんがお骨上げのときに言われた言葉を思い出したいました。
Tさんはメモリアルアクセサリーに使うお骨を見て、「ただ単に骨を入れるだけやったらあかん、気合いも入れとかんと」と言って自分の手にとってギュっと握りしめられたのです。
口調はおどけた感じだったのですが、その時のTさんの眼光は鋭く、それはTさんが試合のとき、リングで見せる眼光そのものでありました。
そして、そのTさんの気合いと魂が込められた大枝公園ちゃんのお骨は職人さんの手によってガラス石材に融合され、パワーストーンと組んだブレスとなり、次男さんの左手首にはめられたのです。
少し離れた場所でそんな次男さんを見ておられたTさんの奥さん、つまり次男さんのお母さんは、なんともいえない複雑な表情をされていたのが印象的でありました。
Tさんの奥さんといえば、Tさんの試合のときリングサイドで見守っている姿が印象的であり、どんな壮絶な試合であっても、最後まで目を逸らさず見届けるような女性であります。
そんな奥さんの姿を私もテレビで幾度となく見た記憶があるのですが、いつも凛としておられ「気丈な人だな・・・」と、感心していました。
ところが、奥さんのその時の表情は、同じ人とは思えないほど、ある意味、不安気であり、それはボクサーの妻ではなく母親の顔であったのです。
やはり、妻と母の立場では、その心境は大きく違うんでありましょう。
ボクサーの妻だからわかるボクシングという過酷なスポーツのつらさや怖さ。
その世界に息子さんが入っていかれることの心配と不安は計り知れないほど、大きなものであるのは間違いありません。
次男さんは誰に言われたわけでもなく、自分でその世界に入ることを決められ、この時にはすでに大きな夢と目標を描いておられたのです。
だから、母はただ見守ることしかできないのであります。
それは我々が想像する以上につらいことなのかも知れないと、私は奥さんの表情を見て、そう感じたのです。
ブログのスペースが無くなりましたので、この後のお話は次回に紹介させていただきます。
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野村圭一
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