ペットの火葬の前に必ず確認させてもらうこと

弊社プレシャスコーポレーションでは葬儀が終わり、火葬をする前に、必ず飼い主様に確認させてもらうことがあります。
 
それは、ペットちゃんの患部の部分を確認したいかどうかということであります。
 
ペットちゃんが癌など、内臓系の病気を患って亡くなった場合、悪かった患部が黒く焼け残る傾向にあり、もちろん、時間をかけて患部も完全に燃やしつくすことも可能ですが、そうすると細く弱い部分のお骨が砕けてしまう可能性があるので、そのことを考慮したうえで、飼い主様にご説明し、お骨上げの前に患部を取り除いたほうが良いか、そのままの状態で良いのかを確認するのであります。
 
ほとんどの飼い主さんは「そのままの状態で見させてください」と仰ります。
 
それは、きっとペットがどのような状態で亡くなったのかを知っておかなければという責任感の表れであり、飼い主としての最後まで見届けるんだという使命感なのでしょう。
 
火葬が終わり、残った患部を見つめる飼い主さんの顔をみると、いつも思い出す光景があります。
 
それは私の父が生前に胃癌を患い、胃の一部の摘出手術をしたとき、オペを担当したドクターから「摘出した患部を見られますか?」と尋ねられ、私は即答で「いえ、いいです」と断ったのですが、隣にいた母が「見せてください」と気丈な面持ちで言ったときのことです。
 
母は表情はそのままだったのですが、涙を流しながらドクターが差し出したアルミ製のトレイの上でガーゼに包まれた患部を見つめていました。
 
私は、血が苦手で、遠目にしか見ることができなかったのですが、母は背筋を伸ばしたまま、トレイを手にとって、しばらくの間、見入っていました。
 
同じように患部を見せてくださいと申し出た飼い主さんは焼き残った患部をしばらくの間、静かに見つめておられます。
 
その表情は、その日の母の表情と同じで、悲しみと優しさが重なったような言葉では表現しづらいものであります。
 
ペットを苦しめた悪き患部ではありますが、それも愛するペットの体の一部であり、そのような複雑な心境がそんな表情にさせるのでしょう・・・
 
私は性別に関係なく、気丈な人が好きです。
 
特に愛する存在の「死」という現実に直面したときであっても気丈な振舞いができる人は真の優しさと強さを兼ね備えた人だからです。
 
 

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