「悲しい事実」ある新聞配達員さんと野良猫ちゃんのお話 5
ママ猫が優しく首筋をくわえて連れてきた仔猫ちゃんを見て微笑んだSさんは次の瞬間、言葉を失いました。
ママ猫がその場にそっと置いた仔猫ちゃんがぐったりしたように動かなかったからであります。
(え・・・もしかして・・・)と思ったSさんは生死の確認のため仔猫に触れようとしましたが、一瞬、躊躇しました。
なぜなら、ママ猫は生後間もない仔猫に対し、過敏になっていることが多く、触れようとすると攻撃的になることがあるからです。
Sさんはママ猫に「触っていい?」と人間に話かけるようにして訊ねました。
ママ猫は言葉を理解したようにSさんを見上げ、悲しげな声で「ミャ・・・」とまるで返事するように鳴いたそうです。
Sさんはそっと仔猫を抱き上げました。
仔猫は頭を力なく下げ、瞼は優しく閉ざされていたのですが、まだ僅かに体温の温もりは残っていたそうです。
(眠っているだけかも・・・)
そう思ったSさんは仔猫の胸元に触れ、鼓動を探しながら、指をそっと仔猫の鼻にあてて、呼吸しているかを確認しました。
微かな希望を持って仔猫の生死を確認したSさんではあったのですが、無情にも仔猫の心臓は止まっていたのです・・・
Sさんは足元で自分を見上げているママ猫に「死んじゃったの?」と聞くと、ママ猫は悲しげな表情で、ただSさんの目を静かに見つめていました。
そのとき、はじめて事態を理解したSさんは、無性に悲しくなってきて、涙を堪えることが出来なかったそうです・・・
仕事中であることも忘れ、仔猫を手の平に乗せたまま、泣きながらその場に立ち竦んでしまったSさんは「どないしはったん?」と、不意に声をかけられ、ふと我に返り、声がした方を振り返りました。
すると、その向えの民家に住んでいる顔見知りである年配の男性が心配そうな表情でこちらを見ていたのです。
Sさんは男性に挨拶をした後、「この猫が仔猫をくわえて連れてきたんですけど、どうも死んでやるみたいなんです・・・」と事実を伝えました。
男性は歩み寄ってきて「ほお・・・そうなんか・・・まだ赤ちゃんやな・・・可哀想に」とSさんの手の平の仔猫ちゃんを見ながらそう言ったそうです。
その後、Sさんと男性はしばらくの間、仔猫を顔を見つめるようにして黙りこんでいたのですが、男性が「あんた、どうでもええけど、まだ配達残ってるんやろ?あとはワシがやっとくさかい、かまわへんから仕事に戻り」と気遣うように言ってくれました。
男性の気遣いに「・・・はい」と返事したSさんではあったのですが、気になり「この仔猫どうしはるんですか?」と男性に訊ねると「どうって・・・そりゃ役所に電話して引き取ってもらうしかないでしょ・・・」と口籠ったように言われたそうです。
Sさんは「それならこの子はゴミと一緒に燃やされてしまうんちゃいますか?」と男性に言うと、男性は「・・・まあ・・・そやけど・・・それはしゃーない(仕方ない)違うか・・・言うても野良の子供やし・・・」と視線を落としました。
Sさんは首を振り「それなら私が配達終わるまで、預かっておいてください。終わったら引取りにきますから」と男性に懇願するように言うと「それはかまへんけど・・・あんた死んだ仔猫引き取ってどうするんや?」と男性は不思議そうな顔でそう聞いてきたそうです。
そう聞かれSさんは涙を浮かべながら「野良でも仔猫でもゴミみたいにするのは可哀想なんで・・・私がちゃんとした場所に埋葬してあげようと思ってます」と男性に告げたのです。
ブログのスペースが無くなりましたので、この後のお話は次回に紹介させていただきます。
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野村圭一
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