「嫌な情報」再会を実現してもらうべく~探偵さんと同行した二日間~2
Nさんは飼い主さん宅のある町の住宅地図を広げ、蛍光ペンで捜索する範囲をマークしていました。
これはNさんの事務所の企業秘密でもありますので、詳しくは言えませんが、猫の場合、性別・年齢・去勢または避妊手術の有無・生活環境(複数の猫と一緒に生活していた等)によって、外に出た場合の行動範囲がある程度、絞られるそうです。
ですので、人間に連れて行かれてない限り、かなりの確率でこの行動範囲内で発見されることが多いらしく、Nさんは、それプラス自分の経験も考慮し、行動範囲を絞って捜索されるのです。
そして、捜索の第一段階は地域の住民さんの目撃情報を収集することから始まります。
Nさんは迷子になったRちゃんの写真付きのビラを片手に、自宅前で植木に水をあげておられる住民さんや、ご近所さんと立ち話をされてる人達に、頭を下げてRちゃんを見かけたことがないかを訊ねながら、ビラを手渡し、情報を呼び掛けておられました。
私はNさんの後を付いて、その様子を見ていたのですが、捜索を開始して5分くらいしたとき、早くも我慢できず「Nさん。聞き込みなら僕にもできます。もし、よかったら僕にもやらせてもらえませんか?」と申し出をしたのです。
Nさんは「そうですか^^野村さん上手そうですもんね。でも、いいんですか?」と気遣ってくださったので「はい。むしろ、見てるだけなのは退屈ですし、僕、サラリーマン時代に訪問営業の経験もあるんで、大丈夫です。やらせてください」と返事をしました。
「わかりました。じゃあお願いします」とNさんはビラの束を半分、渡してくださったのです。
その後、私とNさんは二手に分かれ、Rちゃんの目撃情報を収集すべく、聞き込み活動をすることになり、Nさんから「住民さんからの情報はどんな些細なことであっても書き留めておいてください。そして、有力な情報が入ったときは、随時、報告してくださいね」と言われた通り、私は住民さんから有力な情報を得れるたびにNさんに電話で報告をしました。
最初は調子よく、聞き込み活動をした私ではありましたが、この日、大阪は30度近くまで気温が上がり、10分もしないうちに汗だくになってしまい、一時間が過ぎた頃には足が痛くなってしまったのです。
普段、一時間のぶっ通しで歩くことがない私は、自分の不甲斐なさに腹が立ってきましたが、この程度のことは予想していたので、休むことなく聞き込みを続けました。
そして、聞き込みを開始して二時間が過ぎた頃、Nさんから「野村さん。嫌な情報です」と電話があり、何事かと聞くと「二日ほど前、飼い主さん宅の前を通っている国道で、さらに100メートルほど行った所で白っぽい猫が車に轢かれて死んだのを見た人がいたんです」と、衝撃的な情報が入ったことを知らせてくれたのです。
「ええ!マジですか!?・・・・それって・・・」と、私はしどろもどろになって、訊ねると「はい。情報は情報なんで、飼い主さんに伝えます。それで、役場に問い合わせてもらうように言いますんで、僕は今から飼い主さん宅に行って、そのこと報告してきます」とNさんは言われたのです。
「あの・・・僕もそっち行ったほうがいいですか?」と私が訊ねると「いえ。まだ轢かれたのがRちゃんと決まった訳ではないんで、野村さんは引き続き聞き込み続けてください」とNさんは息をきらしながら、そう言われ、電話を切られました。
今回、捜索の同行を申し出たとき、死後発見(ペットちゃんが亡くなった状態で発見されること)の可能性も考えられることであったのですが、私は能天気な性格ゆえ、自分が同行するからには、必ず無事に保護できるはずだと、何の根拠もないのに、そう思って参加していた自分がいたことに気付いたのです。
引き続き聞き込み続けるよう、Nさんから言われたものの、私は報告を受けた飼い主さんのことが気がかりで、聞き込みを続けるような心境ではなく、ビラのRちゃんの写真を見ながら、途方に暮れてしまったのです・・・
それから20分ほどしたとき、Nさんが、こちらに歩いてこられるのが見えたので、私は「どうでしたか?」と駆け寄りながら訊ねました。
Nさんは苦笑いを浮かべるようにしながら「一応、報告したんですけど、飼い主さん的には信じたくないというのが正直な気持ちのようで・・・とりあえず、役場に確認するのは、最後の最後にしたいって言っておられるんです」と飼い主さんの気持ちを代弁するように言われました。
「でも、可能性があるんなら、先に確認すべきじゃないんですか?」と私は食い下がるように言ったところ、Nさんは「確かに。でも、飼い主さんが轢かれて死んだのは別の猫でRちゃんは必ず生きてるって信じておられる以上、僕らも、その気持ちを尊重しないといといけないんですよ」と言われたのです。
「そりゃ、尊重はしますが・・・・で、どうするんですか?結果がわかるまで捜索は中断するんですか?」と、私は不安な表情で訊ねました。
Nさんは首を横に振り「いえ。飼い主さんが、そう言ってる以上、僕らだけでもRちゃんが生きてることを信じて捜索してあげないといけません。ですので野村さん、引き続き、聞き込みを続けましょう」と、言葉帯に気持ちを込めて言われたのです。
「そうですか・・・わかりました。」と返事はしたものの、明らかに私のモチベーションは下がっていました。
そんな私を見たNさんは「野村さんダメですよ。マイナスなことを考えたら。こんな時、マイナスなイメージを持ってしまったら、本当に残念な結果になってしまうんです。前向きに行きましょう」と発破をかけてくださったのです。
Nさんに、そう言われ、私はハッと我に返りました。
こんなことでウダウダ言うために同行したんじゃない。
Nさんに余計な気遣いをさせたのでは、同行させてもらった意味がないじゃないかと。
私は、瞬時に気持ちを切り替え「そうですよね^^Rちゃんはきっと生きて僕らが見つけてくれるのを待ってますよね。頑張ります」と笑顔でそう言いました。
「はい^^頑張りましょう」とNさんも笑顔になられ、その後、二手に分かれ聞き込み活動を再開したのです。
Nさんはこのとき「野村さん、実際ね、事故の情報が入ったとき、飼い主さんが『それは、うちの子ではない』って、何の根拠もないのに即答で言い切ったときって、本当に違うときが多いんですよ。逆に『もしかして・・・』って思われたときは、悪い予感は的中するんものなんです・・・でもね野村さん、今回、飼い主さんは違うって言いはったし、おそらく轢かれた猫はRちゃんではないと僕は思んです」と言っておられたのですが、それは、きっと、飼い主さんと猫ちゃんは離れていても、心のどこかで繋がっているのだと私は思ったのです。
上手く言えないのですが、ペットちゃんが迷子になったとき、どこかで生きていれば、飼い主さんだけは、そのシグナルを感じれるような気がするのです。
そして、これは、翌日に判明することなのですが、事実、事故で亡くなったのは別の野良ちゃんで、Rちゃんではありませんでした。
聞き込み活動を再開したとき、陽が傾きだしていたのですが「Rちゃんは必ず無事でいる」と、私のモチベーションは上がっていったのです。
ブログのスペースが無くなりましたので、この後のお話は次回に紹介させていただきます。
プレシャスコーポレーション
野村圭一
大阪 ペット葬儀・火葬に関するお問い合せはプレシャスコーポレーションまで
大阪本社 大阪府守口市菊水通3丁目7-9
ペット葬儀・火葬のご依頼はフリーダイヤル:0120-982-660

