「優しさに包まれて」虐待をうけた あるミニチュアダックスちゃんの生涯 最終回
CちゃんにとってAさん家族との暮らしは平和そのものでありました。
特別なケアがなくとも、心優しい家族との生活はCちゃんの心の傷を癒すのには充分であったのです。
そして、さらに月日は流れ、長男さんが高校生になり、長女さんも中学生になった頃、Aさんはトリマーとしての経験を重ね、念願でもあった自分のお店を持ったのです。
この頃にはBちゃんとCちゃんの他にも二頭の犬が新たに仲間に加わりAさん家の犬ちゃんは四頭になっていました。
その二頭の犬も、元は別の飼い主さんが飼育放棄をされたのをAさんが引き取られたのでした。
このように、Cちゃんは優しい家族と気の合う仲間に囲まれて穏やかな生活を送ることができたのです。
そして、CちゃんがAさんに引き取られて十数年の年月が過ぎた頃、Cちゃんは老衰のため静かに息を引き取り、その生涯に幕を降ろしたのです。
最期は本当に穏やかなものであったそうです。
Cちゃんのセレモニーは弊社プレシャスコーポレーションの会館で執り行われることになりました。
Aさんに弊社をご紹介してくださったのは、過去に二度、愛犬のお見送りを当会館でされた人からの推薦でありました。
Cちゃんのセレモニーを担当させてもらうことになった私は、Aさんからお手製の棺に納まったCちゃんの安らかな顔を見せてもらったとき、Cちゃんの鼻の周りに毛が生えていない部分があることに気付きました。
最初は皮膚病の影響かなにかと思ったのですが、火葬の待ち時間のとき、Aさんから、Cちゃんと出逢った経緯を聞かせてもらい、Cちゃんがそのような辛い過去があったことを知ったのです。
Aさん家族は皆、物静かで穏やかな印象を与えるご家族でありました。
火葬が終わり、お骨になったCちゃんを見て、Aさんは目に涙を溜めていました。
長男さんは口を真一文字に閉じ、涙を堪えていたのですが、長女さんは堪えきれず、口元を押えながら肩を震わせるようにして、涙を流しておられました・・・
そんな長女さんの背中を抱くようにしながらAさんは「皆で骨を拾ってあげよ・・・」と優しく声をかけ、長女さんはコクっとうなずいて、骨上げ箸でCちゃんのお骨を収骨されたのです。
「ここ尻尾の骨だね・・・」
時折、そんな会話を小さな声でかわしながら収骨されるAさん家族の姿を見て、本当に物静かで優しい人達の集まりだなと、私は感じていました。
Cちゃんは、心ない人間から恐怖を植え付けられ、そして捨てられました。
もし、あのとき、Aさんと出逢ってなければ、Cちゃんの生涯はどうなっていたのだろう・・・
想像するのもつらい結末であったかも知れません。
しかし、偶然が重なり、Aさんという新たな飼い主さんと巡り合い、その後は幸福に包まれた犬生そのものであったに違いありません。
そう考えると、Bちゃんが迷子になったことも、Aさんと出逢ったのも、全て導きのように感じ、必然であったと思えてくるから不思議であります・・・
Cちゃんは、晩年、人間を怖がることはなくなったとAさんは言っておられたのですが、それを聞いたとき、私は胸が熱くなるのを感じました。
少なくともCちゃんが「人間にも良い人がいるんだ」ということを知ってから天国に旅立てたことが素直に嬉しく感じたのです。
ペット葬儀の仕事は別れの仕事であると思われがちです。
しかし、Aさん家族のような素晴らしい飼い主さんと出会い、知り合えることのできる仕事でもあります。
礼儀正しく頭を下げて会館を後にされるAさん家族の後ろ姿を見送りながら、私はそんなことを感じていました。
Cちゃんの遺骨は、一定期間、自宅でお手元供養の後、Cちゃんが大好きだったAさんの自宅の庭に埋葬されるそうです。
プレシャスコーポレーション
野村圭一
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