「空しい気持ち」姿を変えて帰ってきたペット~4
緑の羽のインコちゃんを警察署から引き取った日、会社から帰宅した旦那さんはすぐに鳥かごに気付き「ああ(警察)行ってきたんか?」と笑顔でHさんに言った後、鳥かごに歩み寄り「そうか飼い主さん迎えにきてくれなかったんか」と優しくインコちゃんに声をかけたそうです。
そんな旦那さんを見てHさんも同じように鳥かごの前まで行き「今日からここがキミの新しい家やよ。近いうちに先輩のジンも帰ってくるから仲良くしてあげてね」と人差し指をカゴの中に入れ、インコちゃんのくちばしを指先で撫でながら言いました。
「あとはジンが帰ってくるのを待つだけやな」と旦那さんは独り言のようにつぶやき、Hさんは「うん・・・」と、だけ返事をしました。
夫婦で夕食をすませたその日の夜、Hさんは旦那さんに「今日、警察から帰る途中、なんか、一瞬、もうジンには会われへんような気がしてん・・・」と正直に心の内に感じたことを伝えました。
「そんな風に思ったら、本当にそうなってまうから、悪いようには考えんとこ」と旦那さんは諭すように言ったのですが、Hさんは「それはわかってる。でも、良いとか悪いとか、感情的にそう思ったんじゃなくて、なんて言うたらええんかな・・・もし、ジンが自然の多い場所まで飛んでいって、そこで自由に暮らしてたりとか、親切な人に保護されてるんやったら、それはそれでジンが幸せやったら受け入れたらあかんのかなって考えててん・・・」とHさんは言ったそうです。
旦那さんは無言のままだったので、Hさんは続けるように「もちろん、ジンが無事に戻ってきてくれるのが一番嬉しいことやよ。でも、もし、ジンが家から離れて、安全な家より、危険もあるけど、自由もいっぱいある自然の中がいいって思って帰ってこないのなら、私にとってそれは悲しいことやけど、ジンが望むことなら仕方ないことなんかなって思っただけ・・・」と、言葉にした途端、涙が溢れてきたそうです・・・
翌日、Hさんは旦那さんと緑のインコに「ソラ」と名付けました。
ソラちゃんは初日からHさん夫婦との生活にもすぐに馴染み、よく食べ、よく遊び、よく鳴いたそうです。
この日、仕事の休みだった旦那さんは朝食をとった後、ソラちゃんをカゴから出して一緒に遊んでいたのですが、Hさんはジンちゃんを探しに一人、出かけたました。
しかし、外に出たものの、Hさんは、自分の中で、昨日までとは何かが変わったように感じたのです。
自分でも、それが何かは解らなかったのですが、昨日までの自分とは明らかに違うように感じ、言葉では表現できないような空しい気持ちになってしまったのです。
もしかして、探すのを諦めてしまったのか?
あるいはソラちゃんが来たことでジンちゃんへの想いが薄れたのか?
自己嫌悪にも似た感情に苛まれるようにしながら、そんなことを自問自答しているうちに無気力な時間が流れ、その日、Hさんはほとんど捜索活動をしないまま自宅に戻ったそうです・・・
そしてHさんは、その日を境にジンちゃんを探すのをやめられたのです。
もちろん、外出したときは、無意識のうちに電線や街路樹を注視するようにはされてはいたのですが、ジンちゃんを探すためだけに、外出をし、時間を費やすことはしなくなったそうです。
そんなHさんの気持ちを察してなのか、旦那さんも、この日からジンちゃんの名前を口にすることはありませんでした。
季節は流れ、秋から冬になり、Hさんはジンちゃんの消息がわからないまま、新しい年を迎えたのです。
ソラちゃんにとってもHさん夫婦と迎える初めてのお正月でありました。
ソラちゃんはご夫婦のもとに来て以来、いたって元気であり、つねに活発なインコであったそうです。
そんなソラちゃんの姿はHさんの癒しでもあり、ご夫婦はソラちゃんのことが大好きになっていました。
しかし、Hさんの心にはいつもジンちゃんのことが在り、一日たりともジンちゃんのことを考えない日はなかったそうです。
そして、さらに、七か月、月日が流れ、季節が夏になった頃、一人、自宅の窓から外を眺めていたHさんは、自分がなぜ、ソラちゃんを警察から引き取った翌日、ジンちゃんを探しにでかけたときに感じた空しさの理由が、自分なりにわかったのです。
ブログのスペースが無くなりましたので、この後のお話は次回に紹介させていただきます。
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野村圭一
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