「良からぬ思い」姿を変えて帰ってきたペット~3

警察から「迷子のインコを保護しています」と連絡を受け、行ってみると、それはジンちゃんではなく別のセキセイインコであり、そのインコは一週間以内に飼い主さんが名乗りでなかった場合には殺処分される運命と知ったHさんは、「もし、一週間経って飼い主さんが名乗り出なかったとき、そのインコを私が引き取ってもいいんですか?」と担当の警察官に訊ねたのです。

そう訊ねられた警官さんは、一瞬、返答に困ったような顔をされたのですが、すぐに「そりゃ・・・構わないと思うのですが・・・どうなんやろ・・・ちょっと待ってくださいね」と言い、どこかに電話をかけられて確認をされたそうです。

警官さんは、メモをとりながら、二分ほど、電話で話されてたのですが、その時、Hさんの旦那さんが「お前、さっきのインコを引き取るのか?」と困惑した顔で聞いてきたので、Hさんは「うん。もし、飼い主さんが迎えにきたらそんときはいいけど、来なかったら殺されるんやで?かわいそうやん・・・」と答えたそうです。

「ジンはどうないするねん?」と、さらに旦那さんが聞いたので「もちろん、見つかるまで探すし、待つよ。仮にあのインコを引き取った後にジンが見つかったときは、一緒に飼ってあげたらいいやん。もともと、ジンも一人ぼっちはかわいそうやから、もう一羽、飼おうかって、あんたも言ってたやん」とHさんは言いました。

旦那さんは無言でうなずいた後「まあ・・・そうやな・・・それならいいわ」と腑に落ちないような口調ながらも納得をしてくれたのです。

「これも何かの縁かも知れへん・・・あのインコが殺されるのを知ってて放っとかれへんわ・・・もし、飼い主さんが名乗りでないときは、うちで引き取ってあげよう」とHさんは旦那さんに、そう伝え、旦那さんも「わかった」と返事をされたのです。

 

そんな会話が終わったとき、警官さんが電話を切り「そうですね。もし、万一、このインコの保護者が名乗り出なかったときは、お宅さんに連絡入れます。」と笑顔で言いました。

「法的にも問題ないのですか?」とHさんが念のために聞いたところ、警官さんは「私も上に確認したところ、問題ないし『是非そうしてもらってください』って言われたから大丈夫です」と力強い口調でそう答えたそうです。

 

さらに警官さんは続けるように「これがね、お金とか金品ならね、落とし主が名乗り出なかったとき、届けてくださった方にお渡しすることもあるんですが、生き物となるとね、なかなかそうはいかないもんで、実際このインコを届けてくれた人にも『もし、飼い主が表れなかった場合、代わりに引き取る気持ちはありますか?」』って確認したんですけど『その気持ちはない』と言っておられたようなんで、我々としてもお宅さんのような申し出があると、助かるんです」と言いいました。

 

「わかりました。では、一週間経っても飼い主さんが表れなかったときは連絡ください」とHさんは言った後「それから、うちのインコのほうも宜しくお願いします。すぐに連絡ください」と頭を下げました。

警官さんは「わかりました。必ず連絡します」と笑顔で答えてくれ、Hさん夫婦は警察署を後にしたのです。

 

それからも、Hさん夫婦は時間を見つけてはジンちゃんの捜索を続けました。

しかし、一向に進展はなく、手がかりすら見つけれないまま、一週間が過ぎ、再び警察署から電話があったのです。

 

電話の内容はジンちゃんの発見ではなく、例のインコちゃんの飼い主さんが表れなかったという報告でありました。

前に対応してくれた警官さんが「あの、それでHさんのお気持ちが変わってないのであれば、このインコを引き取ってもらいたいのですが」と言われたので、Hさんは「わかりました」と返事をし、すぐにカゴを持参して警察署に向かったそうです。

警察署 で書類に署名をし、インコちゃんをカゴに入れて帰ろうとしたときに、警官さんが「僕らもね、一週間といえど、世話をしたんで、処分に出すのは辛いことなんです。だから本当に感謝してます」とお礼の言葉を言ってくれたそうです。

 

「いえ」とだけ返事したHさんではありましたが、インコを連れて自宅までの道のり、インコが怯えないように、自転車の荷台にカゴを置き、自転車を押しながら徒歩で帰ったのですが、そのとき、なんとも言えないような複雑な気持ちになってしまったのです。

 

それは、ジンちゃんと同じ時期に、迷子になったインコを処分される前に保護できた安堵の気持ちと、ジンちゃんはどこにいるんだろうかという、二つの気持ちであります。

 

そして、Hさんはこのとき初めて(もしかして、ジンちゃんと二度と会えないかも知れない・・・)と、良からぬことが頭を過り、涙がでたそうです。

すぐに我に返ったHさんは、良からぬ思いを払拭するように「大丈夫。ジンちゃんもこのインコのようにきっと誰かに保護されて帰ってくるはず」と、頭を振って気持ちを切り替えました。

 

この時、左手でインコの入ったカゴをおさえ、右手でハンドルを持っていたHさんは両手が塞がっていたので、一度、立ち止まり、自転車を固定した後、ハンカチを出して涙を拭きました。

その時、カゴのインコがHさんが立っている方向に向きを変えるようにしながら、Hさんの顔を見つめたのです。

 

その小さな瞳は、まるでHさんの心が見えているように(大丈夫だよ)と言わんばかりの、優しい眼差しでありました。

 

そんなインコを見て、Hさんは、また涙が流れてしまったそうです・・・・

 

 

 

ブログのスペースが無くなりましたので、この後のお話は次回に紹介させていただきます。

 

 

 

プレシャスコーポレーション

野村圭一

 

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