ペットちゃんにかわって言いたい言葉

ペット葬儀の仕事を始めるにあたり、私を含めた全スタッフで葬儀会社の人に講習を受けました。
その講習の中で、葬儀に関する禁句。つまり言ってはいけない言葉なるものを教えていただいたのですが、その禁句の最たるものが「ありがとう」という言葉でした。
理由として、「葬儀というのは尊い命が亡くなったことにより執り行っておるのであって『ありがとう』という言葉は亡くなられた仏様にも遺族の方にも失礼であり不謹慎である」とのことでした。
言われてみて、「なるほど。そういうものなのか」と思ったことを覚えています。
今年は秋の訪れが遅く運動会シーズンになっても半そでで観戦される家族の姿をたくさん見かけ、11月になってもコートで通勤してる人を見かけることがないほど、暖かい日が続いていました。
そんな折、11月も半ばに差し掛かった頃、急激に気温が下がり、女性を中心にコートに身を包む人の姿を多く見かけるようになった日、弊社にペットの訃報が多く寄せられました。
急激な気温の変化に体温調整がうまくできずに、体調を崩すのは人間に限った話ではなく、衣料の枚数で調節ができないペットは人間以上に、この気温の変化に弱く、特にネコちゃんに影響が大きいようです。
その日を境に葬儀の依頼が増え、スタッフ総出で対応することになりましたが、どうしても日程上スケジュールが重なる場合は、せっかくのご依頼をお断りするほどでした。
(お断りさせていただいたお客様。申し訳ありませんでした。この場を借りてお詫び申し上げます)
そして私も葬儀を二件、同日に担当することになりました。
どちらもネコちゃんの葬儀で、名前はモカちゃんとモモちゃんでした。
共に守口市で、偶然にもご夫婦に三人のお子様という同じ家族構成の中、それぞれ暮らしていたのですが、気温が下がった日に体調を崩し、家族の介抱空しく、そのまま回復することなく天に召されたのことでした。
どちらのご家族も、自宅で家族葬をしてあげることを決め、家族全員が揃う時間を希望してプレシャスにご依頼してくださりました。
前日のブログでも述べたように、家族で見送る家族葬はプレシャスの理想のセレモニーの形でもあり、その時間がたとえ、深夜であろうが早朝であろうが、日時が重ならない限り、お断りすることはありません。
私が担当した、この日の2つの葬儀でも家族全員がそれぞれのネコちゃんとの最後の別れを終え、見送っておられました。
その場に立会い、ご焼香も一緒にあげさせてもらった私は、すべてのセレモニーを無事に終え、それぞれの自宅を後にするとき「ありがとうございました」と挨拶しました。
その言葉が不適切な禁句だということは承知の上で言いました。
ただ私は当社に依頼をして下さったことに対してお礼を言ってるのではなく、モカちゃん、モモちゃん、それぞれが一番望んだと思われる最後の別れの儀を家族全員揃って行って下さったご家族に感謝して口にしたのです。
もちろんご家族にすれば愛するペットへの当然の行いであって、私に礼を言われる筋合いでないこともわかっています。
私がそう言ったのは病死したのにもかかわらず、安らかな表情をしてたネコちゃんたちの顔を見たからでした。
ネコが病気で亡くなったとき、眼を開き、口も開けたまま亡くなるケースが多いのですが、モカちゃんもモモちゃんも本当に眠ってるような顔をしていました。
最後の時、苦しみの中であっても、息をひきとるその刹那、家族の腕の中で最後の最後は苦しみから解放され、安心して逝ったんだと感じました。
不適切ですが、モカちゃんとモモちゃんのご家族の方々にこの場をかりてもう一度、言わせてもらいたい。
「最後のお別れを家族全員で見送っていただいてありがとうございました」 と・・・

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