「台風前夜」叶わなかった願い 9
Yさんがプレシャスコーポレーションでマニちゃんの葬儀をされたいと強く思われた理由。
それは「最後のお別れの時間」に代表される、飼い主さんのお気持ち主導の葬儀の流れにありました。
それを聞かされた私は納得しながらも、ある事実をYさんにお伝えしたのです。
それは「Yさん。当社のような葬儀をしてる会社はたぶんないと思います。でも、それはね、他社ではなく当社が、ある意味、変わった会社なんですよ」ということでありました。
どんな会社であってもボランティア団体ではない以上、利益やコストの削減を念頭に置き、時間的な効率は少なからず重視するものであります。
しかし、プレシャスコーポレーションはそこに重点を置くことなく、あくまでも飼い主さんのお気持ちを最大限に考慮した葬儀をするよう心掛けて参りました。
そこには「後悔の残らないお見送りを」という会社理念があるからであり、それこそがYさんが共感してくださった部分でもあったのです。
それらを踏まえた上で、私はYさん「でもね、Yさん。僕ね、思うんですけど、プレシャスコーポレーションのペット葬って大きく分けて二つの儀式があるんですね。1つは葬儀で、もう1つは火葬なんですけど、火葬は個別でされてる会社であったら綺麗にお骨を残してくれると思いますし、当社とそこまで遜色はないと思うんです。問題は葬儀の在り方で、Yさんもそこにこだわってらっしゃるんだと思うんですが」と言いました。
Yさんは「はい。」と、気持ちのこもったお返事をされたので、私はこのタイミングで自分の想い、そして考えを伝えました。
「Yさん。電話でありますが、今もこうして色んなお話をしてますよね?私は葬儀の席で飼い主さんと何か特別なことをしてるわけではなく、こんな風にペットちゃんの生前のことや、どんな子だったかをお話をして過ごしてるだけなんですよ。もちろん、飼い主さんによっては話すのがつらい人もいますので、そのような時は何も話さず静かにその時を過ごしますけど・・・。だからYさん、僕たち、トータルしたら、もうすでにある程度のお時間を共有したことになると思うんですね」
私がそう言うと、Yさんも「そうですね・・・」と言われました。
Yさんから始めて電話をもらったときから、数度に分けて電話で話したのでありますが、その時間を合計したら2時間ほどの時間になっていました。
もちろん、その中には台風状況の話なども含まれてはいましたが、それでも、Yさんの最初のペットロスの話、マニちゃんを迎えた話、マニちゃんの闘病の話、そして、マニちゃんを看取られた話・・・それらのお話を、電話とはいえ、Yさんはお話してくださり、私も自分なりの意見をお話させてもらっていたのです。
そのことから私は「ですから、Yさん。僕はもうすでにマニちゃんの葬儀をしてる気持ちになっているんですよ」とYさんに伝えたのです。
Yさんは無言でありました。
私は補足するように「だから、最悪、明日、天候でこちら(大阪)に来れなくて、火葬は他社でやられたとしても、葬儀はプレシャスコーポレーションでされたとYさんには思ってほしいんです」と告げたのです。
電話の向こうでYさんが声をころすようにして泣かれるのが受話器越しに伝わってきました。
そして、少しの沈黙の後、Yさんは「ありがとうございます・・・」と言ってくださったのです。
「いずれにしてYさん。明日です。明日の午前中には台風は四国に上陸するので、そのときの状況を見て、最終的な判断を下しましょう」
Yさんにそう伝え、私は電話を切りました。
台風前夜。
台風の直撃を受けた九州地方の映像がTVから流れていました。
進路予想は当初と変わることなく、明日の午前中には四国・近畿をすっぽり覆うほどの巨大な雲の渦が勢力を維持したまま近づいていたのです。
ブログのスペースが無くなりましたので、この後のお話は次回に紹介させていただきます。
プレシャスコーポレーション
野村圭一
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