「原点」二度 殺される 最終回
二回殺されたような気持ち・・・
Tさんのその言葉は、ペット葬儀という仕事を始めて間もない私にとって、とても衝撃的で重みのある言葉でありました。
私が以前、このブログで、「飼い主さんにとって、葬儀の日であってもペットは死んではおらず、ただ、呼吸をしていないだけ」と表現したことがあったのですが、そのように強く感じるようになったのも、Tさんの、この言葉が大きく影響したように思えるのです。
そして同じくTさんが仰った呼吸をやめたペットの抱き方。
これは、意識してたわけではなく、また、誰に教わったわけでもないのですが、始めたときから、自然と優しく抱くようにはしていました。
けして自分の事を良く言うつもりはないのですが、それだけは自然にできていたと自負しています。
だから、私も、言葉にすれば矛盾している「死んでるのではなく呼吸をしていないだけ」という感覚を当初から持ちながら、この仕事をしていたのかもしれません。
そして、その気持ちの価値観を共有できたとき、飼い主さんと葬儀屋は依頼する側とされる側の垣根を越えて、同じ気持ちとまではいかなくても、同じ立ち位置でペットを見送ることができるのだと、私は思っています。
火葬が無事に終わり、愛猫ちゃんの遺骨を目にされたTさんは涙を滲ませながらも「うわ・・・すごく綺麗に骨が残ってる・・・」と優しげな笑みを浮かべられました。
その時、訪問直後にTさんから感じていた敵意にも似た警戒心も完全に無くなっており、あるのは「一緒に見送った」という同士の気持ちであったのです。
Tさんはお骨上げをお母さんと二人でされたのですが、二人共、時折、愛猫ちゃんの思い出話をしながら笑っておられたのが、とても印象に残っています。
全てのセレモニーを無事に終え、帰る私をTさんとお母さんは外に出て見送ってくれたのですが、私が角のクリーニング屋さんを曲がるまで、ずっと頭を下げて見送ってくださったのです。
私はこの時のことを今でも覚えているのですが、それは、私がペット葬儀という仕事をして、初めて感じた達成感のような気持ちでもありました。
この仕事をしようと思ったとき、きっと毎日のように人の悲しみに触れ、性格まで変わってしまうんじゃないだろうか?と不安になることもありました。
「ペット葬儀の仕事を始めようと思ってる」と言ったとき、家族や周囲の人達も首を傾げ、特に母は反対しました。
おそらく、そんな心配があったのかも知れません。
しかし、このTさんのご依頼を機に、私は「自分のようなペット葬儀屋にしかできない仕事がある」と、実感し、前向きに捉え、そして、この仕事に邁進していくようになりました。
そして、今でも、その気持ちは衰えることなく、逆に強くなっていくばかりであります。
そんな私の原点となり、ターニングポイントにもなったのがTさんの猫ちゃんの葬儀であったのです。
世の中にはいろんな飼い主さんがいて、いろんなペット達がおり、その数だけ関係性も異なります。
それら全ての飼い主さんと価値観を共有できる訳ではありませんが、少なくともTさんのようにペットはペットではなく家族であると考える人とは、同じ気持ち、同じスタンスでお見送りのサポートをさせていただけると、私は信じています。
そして、それがプレシャスコーポレーションの理念でもあるのです。
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野村圭一
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