「二年前の出来事」二度 殺される 5
2年前に医療判断ミスで猫を亡くした・・・
その事実を火葬中にTさんから聞いた私は無言でうなずくことしかできませんでした。
暫しの沈黙の後、Tさんは指で涙を拭うようにしながら、「そんなこともあって、結局、亡くなってから一週間ほど、火葬してあげることもできなかったんです」とポツリと言われたのです。
「やっぱり、ちゃんと死因を突き止めたかったし、別の病院にも掛け合って検査の依頼もしたんですけど、その病院も明確な対応はしてくれなかったんですけどね・・・」
そう言ったTさんの顔は、悲しみより悔しさが滲んでいました。
このようなとき、医師は同じ立場である病院側をかばう傾向があり、病理検査の申し込みを引き受けてくれないケースがよくあり、私も同じような話を幾度となく聞いたことがあります。
私はその時のTさんの気持ちを思い、胸が詰まるような心境になりました。
「結局、火葬業者さんに連絡したのは死後10日ほどしたときで、そのときは、火葬業者のことまでは、あまり深く考えず、タウンページで一番近い業者さんに電話して来てもらったんですね」
不意に、話は火葬業者の話になり、そのことを口にされたとき、一点してTさんの表情が厳しくなったのです。
「私、そのとき、おたくさん(当社のこと)のようにこんな風に自宅前で火葬してくれる会社があることも知らずに、その業者さんに頼んだんですけど・・・」
Tさんはそこまで言って唇を噛むようにされました。
私は少し間を置き「それで・・・その業者さんは何か問題があったんですか?」と静かな声で訊ねました。
Tさんはゆっくりとうなずきながら「まあ、亡くなって10日経ってたこともあったんで、多少は仕方ないとは思うんですけど、その業者さんに猫を渡したとき、明らかに不快な顔をされたんです・・・それで一応、『すいません』ってこっちも謝ったんですけど、何も返事しないで、すぐに『もう連れていって宜しいですの?』ってぶっきらぼうに言ってさって取ってそのまま連れて帰りはったんです・・・」と、その日のことをお話してくださったのです。
当時はまだペット火葬業界も創世記であり、いろんな業界の人が副業的に多く参入していた時期でもありました。
それは、葬儀屋というより、回収屋に近い感覚でされてた業者も多くあり、飼い主さんの気持ちなど、あまり考えずに、引取り専門でろくな対応もせず、業務的な仕事をするのが特徴であります。
そして、そのような業者さんは、今も残っており、ペット火葬業界全体の評判を落としているのです。
ブログのスペースが無くなりましたので、この後のお話は次回に紹介させていただきます。
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野村圭一
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